抱きついたリーマスからは
甘いチョコレートの匂い



Give me ・・・!!



片想いが1年半続いた。告白してもう半年待った。付き合いだしたのは1年前。私がリーマスを想っていた時間の方が随分長いように思える。


「1年って、あっという間かな」


叫びの屋敷のベッドの上で、リーマスの寝顔を眺めながら、暇つぶしのために持ってきていた本を読んでいる。リーマスの寝顔は穏やかで、気持ち良さそう。満月の夜も終わって、疲れた次の日は必ずと言って良い、二人だけで、この叫びの屋敷で過ごす。

(これを始めたのは告白してからの半年と2ヶ月経ってから)

あの時はリーマスが隣で熟睡している間一人でドキドキして、いつも壊れかけた窓の隙間から空を見ていた気がする。リーマスもこうやって一人で空を見てるのかなって。


?」
「おはよう、リーマス」


眠たそうに目を細めて笑うリーマスの顔が凄く好き。本当に幸せそうに笑うから。私の不安を何処かへ連れて行ってくれるから。仰向けになって欠伸をするリーマスの隣に寝転んで、寝たまま抱きついてみたりすればリーマスが笑った。


「どうしたの何かあった?」
「何にもないけど。あ、リーマスチョコの匂いがする」
「主食がチョコだからね」
「不健康」


抱きついた私を優しく抱きしめるリーマスの腕から伝わった温かい体温の心地よさに瞼が自然と下りてくる。


「ねえリーマス」
「なに?」
「一緒に眠れば1年なんてあっという間だよね」


その質問にリーマスの返事が返ってくるときは、私はもうすでに夢の中にいて、リーマスの声は微かに聞こえた。



「それじゃ困るな」
「これから先も、充分過ぎるくらい僕に君を想わさせてよ」




甘いチョコの匂いのおかげで、
夢は甘くて優しかった。





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ギヴ ミィ ロストタイム




1年半+半年=2年>付き合って1年(=リーマスが私を好きでいる時間(仮))
08/08/14 加筆修正